【 銘柄分析 】長期保有で総合利回り10%超え!優秀な株主優待銘柄 | ジャパンインベストアドバイザー (7172)
航空機リース事業に特化した金融サービス提供企業ジャパンインベストメントアドバイザーの銘柄分析をしました。株主優待でクオカードと証券新聞無料購読券が貰えます。企業概要、業績、株価指標などをまとめてあります。
どうも、りーまるです。
私は金融機関に勤めており、普段から中小企業の決算書をたくさん読んで事業先への支援などを行っています。企業の良し悪しを数多く見てきた経験から、その企業が投資するに値するかについて銘柄分析を行っていきます。
私が銘柄選定を行う際は、①株価の推移、②高配当株であるか、③割安か、④財務内容について一通り確認しています。
銘柄分析をすることで、決算書を読む力や業界知識、投資判断の正確性が向上すると考えており、また、記事を書くことによって、財務内容把握、企業分析、投資判断等スキルアップを目指し、本業との相乗効果を狙っていきます。
今回は航空機リース事業に特化した金融サービス提供企業ジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)の銘柄分析について書きました。何だか名前からしてどのような会社か分からないですし、金融サービス業って理解しづらいですよね。そこで少し掘り下げて記事を書きました。
新型コロナウィルスの影響を大きく受けていますが、これを乗り越えれば、投資対象として優良企業だと私は思いますので興味のある人はぜひご覧下さい。
・どこに投資しようか悩んでいる
・優待銘柄を探している
・将来性のありそうな企業を探している
・ジャパンインベストメントアドバイザーってどんな会社か知りたい
という人は参考にしていただけたらと思います。
目次
- 1 ジャパンインベストメントアドバイザー(7172)企業概要
- 2 ジャパンインベストメントアドバイザーの業績
- 3 ジャパンインベストメントアドバイザーの株主還元
- 4 ジャパンインベストメントアドバイザーの株価指標
- 5 私がジャパンインベストメントアドバイザーに投資する理由
1 ジャパンインベストメントアドバイザー(7172)企業概要
事業概要
2006年設立。航空機リースに特化したリース事業等多様な金融ソリューション事業を展開し、日本証券新聞を通じたメディア事業なども行っている金融サービス提供企業。
「金融を通じて社会に貢献する企業であり続ける」を経営理念に、下記の様々な事業を展開しています。
ビジネスモデル
〇金融ソリューション事業
〔オペレーティング・リース事業〕
JIAの根幹となる事業。
子会社のJPリースプロダクツ&サービシイズ(株)(http://www.jlps.co.jp/)とフィンスパイア(株)(http://www.finspire.co.jp/)を通じて、航空機、船舶、海上輸送用コンテナを対象資産としたリース取引への投資商品の提供を行っています。
そもそもリースの仕組みがよく分からなかったので調べてみたところ下記の解説が分かりやすかったので載せておきます。
航空機リースの仕組み(保険の教科書 航空機リースの節税の仕組みとメリット・デメリットの全てhttps://hoken-kyokasho.com/koukuki-lease-setuzei)
この図を元に、航空機リースの仕組みを7つに順序立てて説明します。
1. 航空機リース(オペレーティングリース)のスキームを作るリース会社は、航空機を買い上げます。
2. リース会社は様々な投資家が出資できるように匿名組合を作り、金融機関から借り入れをして、航空機を組合の所有にします。
3. 航空機を航空会社へ貸し出し、リース料を得ます。このときに航空会社との契約で、リース期間の満了時に航空機を買い上げてもらう約束をします。
4. リース料が発生し、組合が運営できるようになった時点で、出資者を募ります。
5. 投資家はリース会社が設定した出資金額に従って、1口単位で出資を行います。
6. 出資者にはリース料と航空機の減価償却が出資額分に応じて分配されます。
7. リース期間満了時に航空会社が航空機を買い上げて、その売却益が組合に入れば、その最終的な利益を出資者に分配し、組合は解散します。
この順序で、このスキームは組まれて、お金が流れています。
JIAはリース会社に該当。
〔環境エネルギー事業〕
企業経営戦略や資金計画に対する解決策の1つとして金融力をベースとした再生可能エネルギーの普及を行っています。主に太陽光発電。円建ての利回り商品として提供。
〔パーツアウト・コンバージョン事業〕
・パーツアウト事業とは、役目を終えた航空機を購入し、その機体を解体して、各部品を整備会社やリース会社、航空会社等へ販売する事業
・コンバージョン事業とは、老朽化した航空機を購入し、輸送機等に改造・リサイクルして販売する事業
航空機オペレーティング・リース事業における出口戦略。
〔M&Aアドバイザリー事業〕
国内外の上場企業、非上場企業に対して、買収・売却・合併、合弁、グループ再編、事業再生、戦略的資本・業務提携等の包括的M&Aアドバイザリー・サービスを提供。
〔人材紹介事業〕
当社グループの金融業界で培った広範なネットワークを活かし、顧客のニーズに最も相応しい能力とスキルを持った知識・経験豊富で専門性に卓越したエキスパートの紹介を行う。
〔ウェルス・マネジメント事業〕
顧客の資産管理を行い、世代を超えて引き継いでいく為の方策について提供している。将来に向けた目標や課題、そして運⽤の目的に合わせて、投資、保険、信託、相続、事業承継にいたるまで、幅広いファイナンシャル・プランニングの提案を行う。
〔保険代理店事業〕
〔フィンテック事業〕
〔IPOコンサルティング事業〕
〔プライベート・エクイティ投資事業〕
複数の機関投資家や個人投資家から集めた資金を元に未公開株を取得し、同時にその企業の経営に深く関与して企業価値を高めた上で売却を行うことで高い収益率を獲得することを目的とした投資を中心にあらゆる金融ニーズに応える事業。主にベンチャービジネス、事業再生、事業承継の株式ニーズに対応すべく投資活動を行なう。
・AI事業
・人材紹介/派遣福利厚生事業
・不動産事業
・ヘルステック事業
・放課後デイサービス事業
・アグリ&バイオ事業
〇メディア事業
〔メディア関連・IR支援事業〕
(株)日本證券新聞社を通じてメディア事業や全国の上場会社へのIR⽀援事業を展開。
・メディア事業においては、昭和19年5⽉に創刊された⽇本で最も古い証券・⾦融専門誌「⽇本証券新聞」を介して、幅広い証券・⾦融・投資に関する⾦融情報を提供。
・IR⽀援事業においては、⻑年蓄積されたデータやノウハウの活⽤により上場企業のIR支援サービスを行う。
これだけ多くの事業展開をしていますが、オペレーティング・リース事業が9割以上を占めています。
オペレーティング・リース事業の物件組成は航空機が大半を占めております。特化企業と言っても過言はありませんね。
強み
JIAの強みは成長力の高さと将来性に期待できる点です。下記資料をご覧下さい。
こちらはJIAの連結業績の推移を表したグラフです。売上は5年以上連続で増加しており、増益率も非常に高い水準です。航空機の需要は、世界経済の成長、インバウンドの増加に伴って年々高まってきており、今後も増加が期待されています。
世界のジェット旅客機数は現在約23,904機となっていますが、20年後には40,300機まで増加すると期待されています。約2倍ですね。今後、航空機市場拡大が期待されることから、JIAはアクセル全開の経営方針となっていると思われます。高い成長率も頷けます。
航空機需要の高まりから、パーツアウト・コンバージョン事業の拡大も予想されます。取り扱っている企業は多くなく、航空機リースの新しい形として普及していくのではないでしょうか。
航空機リースは、企業にとって最も大きな節税対策となります。以下、航空機リースの仕組み(保険の教科書 航空機リースの節税の仕組みとメリット・デメリットの全て)参照
航空機のリースは、数ある節税方法の中でもその効果がとても高いものです。航空機をリースする際に、一括で資金を投入するのですが、損金算入効率が良いものだと、その時に投入した金額の約80%を1年目で特別損失として損金算入できます。さらに、2年目で残りの20%を損金算入することができます。将来資金が返還される金融商品でこれほど大きな損金を一度にできる商品は他にありません。
一方、投資家にとっても高利回り商品であることから、三方良しとなるものである為、今後需要拡大を阻む要因なども今のところ考えられません。
また、他社がこの業界へ参入するには多額の資金等が必要になる為、参入障壁が高いです。これまで築き上げてきた地位を揺るがすような業界再編は発生しづらいと考えられます。
こちらの資料は、投資家を紹介してもらうビジネスマッチング契約先数の推移を表したものです。事業を起こす際には資金が必要となることから、投資家を集める必要があります。その投資家を紹介してくれる契約先が増えれば資金調達が比較的容易になりますので、税理士・会計事務所や金融機関との繋がり強化が重要となります。JIAの契約先数は増加が続いています。
航空機産業は今後伸びていくことが多いに期待できる市場ですが、参入障壁が高く他社の参入は難しいです。収益力の高い航空機リース業に特化することで、高い成長力を誇るビジネスプランがJIAの強みとなります。
2 ジャパンインベストメントアドバイザーの業績
株価チャート
2019年に減益予想となった以降株価は下落しています。新型コロナウィルスの影響により2020年も大きく株価が下がっている状況です。6,000円まで株価が右肩上がりだったことを考えると、今の株価は非常に低い水準となっています。
主力の航空機リースは、世界経済のストップからコロナ終息まで動きが鈍化する可能性が高く、当社にとって今は正念場となります。ここを乗り切ることができれば、成長株として期待が持てるでしょう。
売上高推移
売上はキレイな右肩上がりとなっており、順調に推移しています。航空機リースの需要は高まっており、ジェット旅客機数は増加していくことが期待出来るため、今後も同様に推移していくと思われます。
営業利益率も40%と高く、収益力が非常に高い企業です。航空機リースに特化することでこの高い収益率が維持できています。
コロナウィルスの影響が懸念されますが、2019年12月期決算説明資料にて2020年12月期の第3四半期あたりまでの販売案件については概ね条件は固まっているとのこと(2020年12月期第2四半期も同様)。
EPS(1株当たり純利益)
EPSは直近で減少しています。直近期売上成長率が鈍化し当期純利益も減少となっています。大型案件がずれ込んだのが要因で懸念はないものの、株価は大きく値を下げている状況。
営業キャッシュフローマージン
営業CFはここ数年、水面下で推移しています。要因として商品出資金の負担増が考えられます。商品出資金はオペレーティング・リース事業における今後販売予定の匿名組合出資金のことで、JIAは集めた出資金でリース物件を既に購入しており、航空会社等へリース契約する前の状態であることを表します。下記資料でリースの流れが分かります。
本業では黒字であるものの、営業CFは赤字となっておりますが、あくまで販売拡大の為のCF捻出であることが分かります。私の中では、大きなリスクを負って事業を拡大させているイメージであり、「骨を切らせて肉を断つ」ようにコロナ禍を乗り切ってほしいと思います。
自己資本比率
自己資本比率は健全性を示しており、金融業界では数値が低くなりがちですが、JIAの自己資本比率は20%超えを維持しています。リース事業は金融機関からの借入が必須であり、自己資本が厚ければ、銀行から融資を受けやすくなる為、投資を加速させることで事業規模拡大を目指していけます。
3 ジャパンインベストメントアドバイザーの株主還元
1株当たり配当金、配当性向
ジャパンインベストメントアドバイザーの株主還元の基本方針は、
・当社の利益配分方針は、財務基盤の拡充や業績向上への人的投資とのバランスを考慮しながら、業績と連動した配当を実施することを基本方針としています。
・中期的には、連結配当性向20%以上を目指す
となっております。配当金は増配が続いており、配当性向も15%以下と低いです。コロナ禍でどうなるか予想が難しいですが、まだ余力はあると思います。
株主優待
JIAの株主優待は年に1回クオカードと日本証券新聞デジタル版購読券が貰えます。
100株以上を2年以上継続保有しているとなんとクオカード5,000円が貰えるようになるんです!これは相当優秀な株主優待ですよね。
株主優待を受けるには、権利確定日(2020年12月31日)までにJIAの株を100株保有している必要があります。
4 ジャパンインベストメントアドバイザーの株価指標
PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)
その他金融業の業界平均値はPER8.7%、PBR0.7%であり、業界平均並みです。
ROE(自己資本当期純利益率)
ROEは年々下がってきていますが、高い水準を維持しています。減少傾向となっているのが気になりますが、2019年を下限に増加を目指していってほしいですね。
上記の3つの株価指標についてはこちらの記事に詳しく書いてあります。
5 私がジャパンインベストメントアドバイザーに投資する理由
JIAは成長力のある企業です。航空機市場は参入障壁が高い中、FPGに次ぐ業界2位のシェアを誇っています。今後航空機の需要は、世界経済のグローバル化や旅行客数増加、移動手段として代替するものがない等の理由により右肩上がりで増えていくことが予想されます。
成長力と将来性を掛け合わせているのがJIAのビジネスモデルであり急拡大も期待できる企業ではないでしょうか。
配当利回り+株主優待の総合利回りは10%を超えていることからも優良銘柄であることが分かります。
ただし、コロナウィルスの影響を大きく受ける懸念があることも検討する必要があります。経済、旅行等のストップにより、航空機市場は未曽有の大打撃を受けています。この影響は必ず航空機リース企業にも波及してくることが予想されます。減配・無配になることや株主優待改悪も考えられる状況です。
株価が下がっているので非常にお買い得ですが、この状況下でどう判断するかはあなた次第です。私は、経営を立て直してコロナ終息後伸びていくのではないかと考え、買い増しています。今後の動きに期待です。
投資は自己責任になりますので、投資をする際には十分に検討しましょう。
今後定期的に株価等の更新を行っていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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